小説:お盆と家族と不動産と
第十九話~桜井~

次の日、ミチコは朝日に背を押されながら高速を走った。 お気に入りのミスチルを聞きながら。 いい歳しながら桜井♡ラブなのだ。 コロナ前はライブでキャーキャー言っているぐらいの♡ラブなのだ。 今日は気分がいい♪気分がいいのは […]

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第十八話~ケンイチの魔法2~

で「法務局の人にありがとうございましたって言っててね」 とLINEすると、ケンイチから秒で返信が「は?ネットで取ったけど」と。 ネットで…。 インターネットでこんな個人情報のかたまりみたいなものも取れるのか…。 ついてい […]

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第十七話~ケンイチの魔法~

ケンイチは頭がおかしいのか… それともよっぽど仕事がヒマなのか… 今からじいちゃんちの方の法務局に行ってくる気なのか…ミチコはそう思った。 ただ、一方的に電話を切られて、とりあえず名寄帳をLINEした。 その後に「お願い […]

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第十六話~ケンイチとの電話~

と、ミチコのスマホが鳴った。ケンイチからだ。 昨日、増田クンと話したことと森林組合のことを一通り話したあとに 「ケンイチ、あのさ~。それで、明日森林組合に行くんだけど。 公図っていうのと登記簿謄本っていうのを持ってくるよ […]

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第十五話~書 類~

翌日、ミチコは早速動いた。森林組合に電話。 すると、明日にでもどうぞとのこと。 ただ、3つの書類を持ってくるように言われた。 それは名寄帳と公図と登記簿謄本。 名寄帳はもちろんわかったし、増田クンのところに持って行く前に […]

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第十四話~ヒント~

気づいたら2時間経っていた。 8割の雑談と、2割の中身ある話で。 増田クンは山積みの書類が頭をよぎり、チラチラと腕時計を見ては、ミチコの話に相槌を打ちながら。 ミチコのスマホが鳴ったところで、増田クンは「では、また何かあ […]

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第十三話~あげます~

「来年で父が亡くなって丸3年になるんで、その後にできれば処分していきたいな…と。 ただ、山とかあるし、家も山の中なんで売れないだろうし、どうしたらいいかな…って。」 ミチコは答えた。 「山の中、山の中…」と独り言を言いな […]

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第十二話~名寄帳 筆~

そして、依然、赤面したまま、名寄帳が入った方の封筒を増田クンに渡した。 「あーこれです。あーいやーすごい量ですね。山とか、畑とか、いっぴつ、にひつ、さんぴつ…。家も大きいですね。倉庫もあるし、お父様は農業とかされていたの […]

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第十一話~相談料~

「あーありがとうございます。名寄帳、わざわざお父様のところの市役所まで取りに行ってもらって…」 と増田クンが封筒を開けるとそこから万札が姿を現わした。 「ん……これ、お金ですよっ!」 とミチコの顔が一気に赤くなった。 そ […]

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第十話~増田クン~

少し汗ばんだ手でドアを開け、奥の様子がうかがえない受付カウンターで、ミチコは少し緊張した細い声で 「あ、あのー。えっと、中村と申しま…」 と言ったところで、 「あー、はいはい!中村先輩の!」 と返ってきた。 別な小綺麗な […]

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