小説:お盆と家族と不動産と
第三十話~カーナビ~

「ナビ外せばいいわね!」 その一言で増田クンはニヤリとした。 そして、 「中村さ~ん。売ってお金入ったら車買おうってしてます。いやいいんです。いいんですよ。いいんですけど、ナビは確かにいらないです。中村さん、ナビでどこ行 […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第二十九話~税金~

「私、司法書士で、税理士じゃないんで、詳しいことは税理士と税務署で聞いてほしいんですけど。」 という前置きの後に増田クンは続けた 「中村さんの場合、長期譲渡になるんでザックリですけど20%の税金がかかるんです。」 とミチ […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第二十八話~言いにくいのですが~

次の日、司法書士の増田クンは何やら真剣な面持ちで 「あのー。これは専門外なんで、詳しくは私も知らない…。いや知っているんだけどあまり詳しくは言えないというか…。でも言っていた方がいいかなって思って」 と増田クンは手元のプ […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第二十七話~一人マスクの実用性~

「誰よ~~」と運転のために外した老眼鏡をまた着けた。それはケンイチからだった。 『増田大先生が会いたいってさ。言ってなかったことがあるってさ』『はーい』というLINEスタンプでケンイチに送り、ブルーハーツで上機嫌になった […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第二十六話~皮算用~

「この山とか家とか売れたら…兄弟で3等分するとして。 いや、私がんばっているだから少しぐらい多くもらってもいいわよね。 100万、いや200万ぐらいはもえらるわよね。…そうだ!車!車買おう!こんなにがんばっているんだから […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第二十五話~忘れたい~

「桜井さんゴメンねー」と言いながら、カーオーディオにブルーハーツのCDをイン。「気~が狂いそう!…」と甲本ヒロトのハードボイスが車内に響く。 ミチコはもちろんミスチル♡ラブ。桜井さん♡ラブ。 だけど、だけど、ハゲた桜井… […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第二十四話~CD~

市役所を出て車に乗り込んだミチコは、灼熱の車内を冷やすべくエアコンの風量をMAXに設定するや否や、助手席の収納をゴソゴソとあさり始めた。 「ミスチルじゃない、ミスチルじゃない、ミスチルじゃない…」と10枚はありそうなミス […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第二十三話~ライブかよW~

市役所での話は1時間におよんだ。 8割のミスチルの話と2割の空き家バンクの話で。 話が終わり、ミチコがお礼を言って頭を下げ、振り返り1、2歩進んだところで「 ありがとうございました!」 と桜井さんの声が…。 そう、ライブ […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第二十二話~住宅整備課の桜井さん~

住宅整備課の桜井さんは桜井さんではなかった。 頭はハゲてて、背も低い…もちろん胸元のネームをみると桜井じゃない「中西」。 そこまで違うと一気にミチコは気落ちした。…が、 「どうぞ、こちらにおかけください」の一言が桜井! […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第二十一話~森林組合~

少し深刻な面持ちで、ミチコは市役所に行くために車のエンジンを入れ、フーッと長い溜息をついた。 そんなちょっと憂うつなミチコを救ってくれたのはミスチルの「GIFT」。 車から流れる「最高のギ~フト…」が身に染みた。 なんだ […]

続きを読む