そして、依然、赤面したまま、名寄帳が入った方の封筒を増田クンに渡した。

「あーこれです。あーいやーすごい量ですね。山とか、畑とか、いっぴつ、にひつ、さんぴつ…。家も大きいですね。倉庫もあるし、お父様は農業とかされていたのですか???」

と言われたミチコだったが、増田クンのとある言葉が気になって思わず聞いてみた

「あの…、いっぴつ、にひつって…」

「あーー、普段聞かないですよね。土地の数を数えるときに使うんですよ。『筆』っていう字を書くんです。」

それでミチコの緊張が少し解けた。

習字の師範の資格を持つミチコは、この土地の数え方と習字のことが入り混じった会話を5分ぐらい続けて。


「…で、中村さんとしては、どうしようと、どうしたいと思ってます??」と増田クンは本題に入った。

続く…。

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