小説:お盆と家族と不動産と
第六十三話~カー用品専門ショップ~

「着いた~~」とミチコの言葉に、ケンイチはポカンと口を開くだけ。 着いたのはカー用品専門ショップ。 入口付近にはタイヤが積まれ、奥の方では、車の整備をしている。 車を降り、ケンイチは思った「車検…か?」とミチコの車のフロ […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第六十二話~どこ行くの?~

車は国道を西へと。話は終始ケンイチの仕事と車の話。 …とケンイチは、はっとした。 ミチコがいつも行く大型スーパーと方向が真逆なのだ。 ケンイチは「どこ行くの?」と言った言葉にミチコはまた「まぁね」とだけ返した。 途中、ミ […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第六十一話~違和感~

二十分後、ケンイチのアパートにミチコの車が着いた。 ケンイチは自ら運転しようと運転席の方へ行こうとしたが、途中ミチコに無言で助手席を指さされ、座った。 …と、ケンイチは何か違和感を感じた。 もちろん、今までこの車に乗った […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第六十話~不動産が水曜日が休みの多い理由~

今日は水曜日。確か毎週水曜日は定休日だってケンイチは言っていた。 水曜日は水で、契約が流れることを連想させるから休みなんだって言ってた。 で、案の定、ケンイチはすぐに電話に出た。 「あんた、今日休みでしょ。どうせヒマでし […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第五十九話~気持ちがうれしい~

マサカズとユウイチからそれぞれ十万円、計二十万円入っていたのだ。 ミチコは「まぁ、ほんの気持ちっていうぐらいだから三万か五万円ずつ、合計六万か、十万かしら…」って皮算用していたが、マサカズとユウイチの気持ちはそれを上回っ […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第五十八話~振込め詐欺?~

ATMの前で立ち尽くすミチコ。口を右手で抑えながら、肩で呼吸する。 5秒、10秒と続き、後ろに並んでいた若い女性に「あの~。すいません。大丈夫ですか。警察呼びましょうか。」と声を掛けられ我に返るミチコ。 若い女性は振り込 […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第五十七話~福沢諭吉~

「渡したいって…何を…?」とミチコは返す。 ただ、頭の中には福沢諭吉がヒラヒラと舞っていた。 「いやいや、いいから、姉ちゃんの口座教えてよ。ほんの気持ちだけどね」とユウイチは答える。 ミチコは自分の口座を教えてながら、福 […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第五十六話~ユウイチからの電話~

山の森林組合への売却手続きが終了したその日の夜、ミチコに福岡にいるユウイチから1本の電話があった。 「アニキと相談したんだけどさ。今回、姉ちゃんにいろいろ手間かけたでしょ。 で、ほんの気持ちだけど、オレとアニキから姉ちゃ […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第五十五話~確定申告~

そんな話を聞いたミチコであったが、自分も家賃収入を得ることによって毎年確定申告が必要だと増田クンに言われ、気落ちした。 確定申告なんてやったことない。 増田クンにすがるように懇願したが、「税理士じゃないんでできません。」 […]

続きを読む
小説:お盆と家族と不動産と
第五十四話~山~

一方、山。こちらも司法書士増田クンのスムーズな仕事によって、森林組合へと売却、登記上の名義が移された。 売却価格は約一千万円。 ただ、色々な経費が差し引かれて実質的な手残りは約五百万円となった。 このお金はマサカズとユウ […]

続きを読む