
ケンイチは車窓からミチコの方へ視線を移す。
すると、ミチコが口ずさむ遠慮がちなサウンドが耳を打つ。
「さようなら 会えなくなるけど さみしくなんかないよそのうちきっと 大きな声で 笑える日が来るから…」
「それ、いい歌だね」
とケンイチが言うとミチコがこう返す
「星になれたら…ねぇ。いい歌。今回さ、じぃちゃんちの山とか家とか他人に譲っていいものか、そう思ったよ。
悩んだよ。でも、高い山越えれば見に行けるじゃん。
で、家なんかは貸したわけだから完全によその人のものってわけじゃないじゃん。
星になれたら、虹になれたらいいけど、なれなくても星を虹を眺めればそこにきっと故郷があるのかなぁってそう思うのよ。」
お わ り
あとがき
最終回でした。
いいね頂いた皆様ありがとうございます。
マスク姿で大音量でミスチルを流している車を見かけたらひょっとすると私かもしれません。
またどこかでお会いできる日が来るといいな。
ミチコ、ケンイチ
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