
普段なら決まって『面倒くさい…』と思うケンイチだが、なぜだか今日はそう思わない。
それは、マスクの向こうの母親が気分よく小声で歌ってるから。
たぶん一人で運転してるときはおっきな声で歌っているんだろうけど。
助手席の車内。あごに手を置き、ふと車窓から眺める。
変わらない街の風景。今回のじいちゃんちの山の売却とかとか家の賃貸とかで頑張ったであろう母親を想う。
誰も使わない、住まないであろうにしてもたくさんのたくさんの思い出のある自分の田舎。
それを他人に売ったり、貸したり…どういう気持ちなんだろうか。ケンイチは思いにふける。
続く…。
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