と言うと、乙女チックな輝きを失い、冷めたミチコの目線がケンイチを襲う。

「さっきのあんたの言葉、そのまま返すわ!アホか!!!桜井さんって言ったらミスチルよ!ミスターチルドレンよ!」

…と

その時ケンイチの脳裏にあるフレーズが、

自分が思春期に母親に対して連呼していたあるフレーズが蘇った。

「地獄鬼ババァ」。

そう、ミチコは以前から特殊能力とも言えるほど、小さな声を拾う耳を持っていたのだ。

「いい歳したオバさんが、桜井さん?ミスチル?ミスターチルドレン?」

とケンイチは思ったが、それを小声であろうと口に出せばどえらいことになる。

続く…。

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