と言うと、乙女チックな輝きを失い、冷めたミチコの目線がケンイチを襲う。
「さっきのあんたの言葉、そのまま返すわ!アホか!!!桜井さんって言ったらミスチルよ!ミスターチルドレンよ!」
…と
その時ケンイチの脳裏にあるフレーズが、
自分が思春期に母親に対して連呼していたあるフレーズが蘇った。
「地獄鬼ババァ」。
そう、ミチコは以前から特殊能力とも言えるほど、小さな声を拾う耳を持っていたのだ。
「いい歳したオバさんが、桜井さん?ミスチル?ミスターチルドレン?」
とケンイチは思ったが、それを小声であろうと口に出せばどえらいことになる。
続く…。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- 小説:お盆と家族と不動産と2022年12月22日第七十四話~最終回:星になれたら~
- 小説:お盆と家族と不動産と2022年12月22日第七十三話~葛藤~
- 小説:お盆と家族と不動産と2022年12月22日第七十二話~コロナ対策じゃない方~
- 小説:お盆と家族と不動産と2022年12月19日第七十話~コロナ対策じゃない方~