この家の寿命を悟ったことで、この家をどうしたいいか考えた。

誰かに相談したいものの、マサカズやユウイチはどこか他人事。

…そうだ、うちのケンイチに聞いてみよう。

ケンイチなら仕事柄、何かわかるはず。

ケンイチはミチコの一人息子。不動産会社に勤めているのだ。

早速電話してみた。

「はいはーい。何かあった?」

と2コール目でケンイチの声。

「あら、あんたには珍しく電話出るの早いわね。

あのさ~。じいちゃんちの家のことなんだけど、ちょうど今、来てるのよ。

で、この前の台風で瓦が落ちたり、雨漏りがしてたりするわけ。

お金かけて修理しても、誰も住まないでしょ。

…でこの家も寿命かなって思って。

それでさ…」

と続きをいいかけたところ、

ケンイチがそれを遮った。

続く…。

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