「でさぁ、母さん、オレいい人知っているから、その人に聞いてみたらいいよ」
親との会話が面倒になった末の言葉か、いや違う、たぶん自分でも一から十まで説明する自信はある。
だって、ケンイチはただの賃貸担当の不動産屋じゃない。FP、ファイナンシャルプランナーの資格を持った不動産屋なのだから。
そこそこの知識はある。
けどけどここは他人の口から言ってもらった方がいい、その方が母親も納得する。
そう思ったのだ。
「不動産屋さんよりもいい人って誰よ」
まだまだ不機嫌なミチコ。
そしてケンイチは語気を強めて一言
「司法書士!」
「シホウショシ????」
不機嫌さが解けはじめ、??が頭をめぐるミチコ。
「ケンイチ…、あの~、シホウショシって行政書士といっしょの…」
「お母さん、あの、ん…っと。行政書士と司法書士は違うんだけど、司法書士って登記とかするのがだいたいの仕事なんだけど…。
まぁ、あとでその人の連絡先LINEするから、じゃぁ!!」
…電話切られた。
続く…。
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